はいさい。フライトドクター ヨシバードです。久しぶりのゆっくりした週末を過ごしています。シンガポールに移住したら、これもあれもしようと計画していたのですが、実際住んでみると意外と行かないものですね。Night safariもUniversal Studioもまだまだ行けていません。
この2か月で5回ほど医療搬送に携わらせてもらうことができましたが、いつも印象に残るのは、機内に案内したあとの患者さんの安堵した表情です。
文化も習慣も異なり頼れる人もいない外国で、病気になった時の絶望の気持ちは計り知れません。言葉が通じなければ、どういう診断が下されてどのように治療が行われているのか、はたまたいつになったら国に帰れるんだろうと心配の種はつきません。心身ともに疲弊しきっている中、医療通訳はじめ、主治医と密に連絡をとり、患者と家族や会社に現状を報告するのがメディカルアシスタント会社の役割です。
時により専門家の見地から今後の治療方針を進言もします。それは、場合により医療先進国へのMedEvacも含まれます。
MedEvacで、搬送機が到着した時、疲労困憊した顔が安心した表情に変わった瞬間が忘れられません。言葉は通じるし、治療方針についても意見をすることができる、安心した医療設備のあるところで治療を受けられるなど、不安で蔽われた暗黒の先に、一筋の光を見出しているのかもしれません。
Repatriationでは、国に戻った時の安堵した表情が印象的でした。無事病気から回復した人にとっては、母国でリハビリをして次の一歩を踏み出すきっかけを作ることになります。
例え終末期であったとしても、慣れ親しんだ国で、家族に囲まれて最後の時間を過ごすことをお手伝いできることはメディカルアシスタンスの意義の一つです。以前、病気のため離島に戻るのが難しい人のお手伝いをしましたが、機窓から生まれ育った島の影がみえた時の頬を伝った患者さんの熱い涙を忘れることはできません。
健康な人にとって世界は狭いでしょう。しかし、大病した瞬間、果てしなく広くなります。言葉や文化、国境の壁がとてつもなく高く感じるようになります。飛行機にも搭乗制限されるかもしれません。何千マイルも離れた母国が恋しくなり、どうしたら帰れるようになるのか途方にくれます。
Worldwide Human touch.
これらのギャップを埋めるため、今日も精いっぱい様々な側面から、一人ひとりのニーズに合った医療アシスタンスを行っていきたいと考えています。
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