はいさい。フライトドクター ヨシバードです✈
新型コロナで外出自粛の日々ですが、僕もリモートワークをしながら業務にあたっています。皆様の健康をお祈りいたします。
今日は、久しぶりの投稿です。
インターナショナルSOSに入社し、国際医療搬送の世界に携わってから、早6年が経ちます。入社後、数々の危機が世界を襲いました。2015年の原油価格暴落による景気低迷だけでなく、エボラ、MERS、ジカウィルス感染症も都度アシスタンスセンターへのサージを引き起こしました。それでも医療搬送は滞りなく行うことができていました。
しかし、新型コロナウィルスに対して、世界各国が一斉に鎖国。COVID-19はいとも簡単にグローバリゼーションの脆弱性を露わにしました。
医療搬送で、ここまで国境の壁を感じたのは未曽有の経験です。日本から出国できても、外国に入国できないのです。入国するにはビザ申請やCOVID-19陰性証明書が必要であったり、多くの国では入国後に14日間の強制隔離措置が敷かれます。母国にエスコートチームが戻ったあとも然り。これでは医療搬送はできません。
今年に入り、多くの新型コロナウィルス関連のSOSコールを受けました。日本同様、COVID-19感染を疑われた時点で、政府指定の感染症病院に搬送されます。その多くは公立医療機関で、言葉が通じない、十分な医療が受けられない、病状についての説明もなされないことは珍しくありません。日本への帰国、せめて最寄りの先進国への搬送を切望されますが、残念ながら医療ツーリズムを国策に掲げてきた国達は、早々に国境を閉じてしまいました。国内感染の広がりが想定外に速く、外国人ビジネスで輸入感染症に割ける医療資源がないからです。
COVID-19陰性である症例(例えば、整形や外科疾患)であっても運ぶことができません。現地で有効な治療が受けられず、亡くなってしまった方も目にしました。本当に残念でなりません。
そんな中、先週、多方面の協力を経て、ようやく一人の患者を台湾に帰国させてあげることができました。日に日に国境が狭まる中で、定期便は大幅に減らされ、2週間以上の調整を経てなんとか成し遂げることができました。特に4月に入ってからは、日本政府も水際対策(PCRは入国者全員必須、帰国後14日間の自主隔離)を厳しくし、更に実現のハードルが高くなりました。外務省、厚労省、国交省、検疫所、中華民国政府はじめ、日本と台湾の医療機関双方の多大な協力を頂けたことで、ミッションを完了することができました。本当にありがとうございました。
今回は日本の医療チームが患者をストレッチャーで搬送し、中華民国に入境することなく、機内で台湾チームに引き継ぎをするという特別な条件で許可を得ることができました。日本チームは空港敷地から出ず、とんぼ返りという特別なミッションの形態をとりました。
こういったチームワークがとれるのも、インターナショナルSOSで働く醍醐味です。
裏で細かな調整をしてくれたインターナショナルSOSジャパン、SOS台湾の同僚の方々に感謝いたします。
なんとか無事帰国できました。
皆さんも、3密を避けて、身体を大事にしてください!!
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