Business

4月 2018

日本人は旅行が下手だ(テロ時代の海外旅行術)

2020-05-25T18:50:58+09:004月 27th, 2018|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

はいさい。フライトドクター ヨシバードです       桜が咲いた、散ったと思ったらもうすっかり明日からGWですね。   今週はインド出張にいってすっかり疲れてしまいました。なので、GWは近場でゆっくりします!   昔は飛行機の移動は何時間乗っても苦痛でなかったのに… 年のせいですね。   東京ー大阪間も飛行機でということは最近はなくなりました   さて、GW前にNewsweek日本版(4月24日発売号)で「テロ時代の海外旅行」という特集が組まれました。   テロだけではないんですけどね。感染症も大事なんですけどね。   取材で話をした内容が一部載っていますので、興味がある方で読んでみてくださいね。(p.22、p.34)   「日本人は旅行が下手だ(テロ時代の海外旅行術)」 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/04/post-10030.php [...]

三年ぶりの再会

2020-05-25T18:57:42+09:004月 10th, 2018|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

「あーー、ここのコハダやっぱ美味いなぁ…」 3年ぶりにお会いしたAさんの足取りはおぼつかなかったものの、声ははっきりとしていた。 体重も食欲も以前に比べ落ちた。ビールもグラス1/3までに今は制限しているらしい。でも、お寿司を口に含んだ瞬間、彼の口元は緩み、満面の笑みになった。 医師として心がいっぱいになる瞬間だ。     三年ぶりの再会。覚えていてくれて嬉しかった! 救急医として働いていると退院まで患者をみることは多くない。生死をさまよう急性期をすぎると各専門科にバトンタッチするためだ。今の仕事も海外から患者さんが帰国した瞬間に接点がなくなるので同じだ。だから、なおさらこの一言を聞けて感動もひとしおだった。 彼は3年前、インドネシア僻地から船で数時間沖ににでた先でダイビング中に病気を発症した。岸まで運ばれるのに数時間、運ばれた病院も最低限の治療がやっとできる病院だった。もちろんCTはなく、点滴と酸素のみ投与されている状況であった。     酸素ボンベとベットだけある病室。もちろんモニターはつけられていない。 当時シンガポールで働いていた僕が、医療専用機で迎えにいったのは発症翌々日のこと。週末を挟んだこともあり、機体を確保したり、当局から離着陸許可をとるのに時間を要したこともあるが、飛行時間も相当長かった。「インドネシアはなんて東西に長い国なんだ!?」と、時計とにらめっこし、ヤキモキしながら飛んだことを今でも覚えている。 救急車はストレッチャーがあるだけ。酸素やAED、モニター、吸引器は全て自前でエスコートチームが持ち込みする。 [...]

8月 2017

Message from God???

2020-05-03T17:46:42+09:008月 20th, 2017|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

 はいさい。おひさ!ヨシバードです。  仕事に忙殺されてブログから遠ざかっていましたが、それでも日々色々思うことはあり、無理のない範囲で再開しようかなと思います。 再びよろしくお願いします!今日は人事考課について。 医者には無縁とは思っていました。この仕事は売り上げや業績ではなく、目の前の命にどう向き合うか、上司ではなく患者さんが評価するものだと考えていたからです。今の会社では医師も評価の対象。自己評価、同僚、上司の評価が細かく入ります。点数化され、良かった点、改善すべき点が面談で包み隠さず話されます。この一年努力したことはちゃんとチームに伝わっているようです。改善点として上司から言われたことは3つ。1. 働きすぎなので、ちゃんと休むこと。仕事の優劣つけて、他にも業務割振りをすること。短距離レースではないので、全て長い目で達成すると考えることも大事。2. もっとグローバルな目を養うこと。日本企業と日本人の目線でみるのと同時に、外国企業や外国人の視点から医療アシスタンスへのexpectationを知ること3. 正しいことだけをいうのは不十分。正しいと思っていることを、チームのみんなが正しいと理解してもらえるように話術を磨くように。特に三番についてはわかっているつもりでも、なかなか実践に移すとなると難しく、課題でありました。”It is not enough just to be right. It is more important to let others understand about [...]

10月 2014

一期一会

2020-05-03T17:46:37+09:0010月 22nd, 2014|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

はいさい。フライトドクター ヨシバードです。 鳥瞰図ってありますよね。鳥の眼からみた地上の世界。いくらみても飽きません。離着陸時に機窓からみた風景は、日本は比較的統一されている気はしますが、それでも那覇空港は南国の雰囲気を感じるし、羽田空港はさすが世界有数のメガポリスだけあって多くの建物や工場、住宅でひしめき合っています。外国に目を向けますと、建築基準も農地に関する法律もバラバラだからでしょうか。シンガポールから飛び立つと。すぐ下にマレーシアジョホール州の街並みが見えますが、整然と高層ビルが並びきちんと区画された景色が、一気にアブラ椰子が生い茂る農地に切り替わります。そして建物の形も色も高さも統一性がなくなります。 マカオは煌びやかなカジノの夜景を見ながらの、バリはエメラルドグリーンの海が広がる中でのランディングでした。 それぞれの国の「性格」を機窓から垣間みることができるのが、この仕事の面白いところです。そして、どのミッションも「一期一会」だと思っています。患者さんは当然のことですが、行く場所も、出会うスタッフも「一期一会」。絶対、旅行ではいくことがないであろう小さな町の小さな病院。救急室は?救急車は?集中治療室や病棟はどうなっているのか非常に気になります。 先週末は近距離ミッションに二件いきました。搬送には実に多くの人たちが関わっています。今回は、クリニックの医師と事務の人たちが患者さんを敷地内まで運んできてくれました。それ以外にも、地上でイミグレーションの便宜をはかってくれるおじさんだったり、グランドハンドラーや給油車のお兄さんだったり。みんな力をあわせて、搬送時間が短くなるように各人のパートをこなしています。「今回はとんぼ返りだけど、いいところだから今度プライベートで遊びにきてね!クリニックよってくれたら、色々案内するよ!」といってくれたクリニックのスタッフ。みんな温かい人たちばかりです。来年、いよいよ家族がシンガポールに移住したら、新婚旅行以来の10年ぶりの南の楽園にいってみようかな!毎回、どういった出会いが待っているのか、発見があるのか、いい緊張感でスタンバイをしています。まだまだ一人前には程遠いですが、Step by stepこれらの貴重な経験から成長していきたいと思います。 […]

9月 2014

コード・ブルー

2020-05-03T17:46:23+09:009月 29th, 2014|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

はいさい。フライトドクター ヨシバードです。 怒涛の4連日勤+週末日勤が終わり、体力回復もつかの間、今日から初夜勤(2連勤)突入です。入社して2か月半。勝手は慣れてきましたが、まだまだ効率よく仕事をこなしているのとは程遠いです。先輩たちのスキルを盗みながら、一日でも早くテキパキと流れるように仕事ができればいいなと思っています。この仕事は航空搬送がメインと思われている読者の方も多いと思いますが、それは誤解です。派手でドラスティックにみえるのでそう思われても不思議ではないのですが、それは全症例のほんの一部です。ほとんどは、それ以外の電話上での応対です。今日は、その一部 「コード・ブルー」を紹介をしようと思います。週末の日勤は敗北の一日でした。平日はシンガポールに関する業務(5-6ヶ国)をしますが、週末は東南アジア一帯を管轄します。対象範囲が、急にインドシナ3国を含めた倍以上の国になります。次々からくるコールに、株トレーダー顔負けのパソコン2台、モニター4画面(!)で対応していましたが、対応は遅れ気味。それ以外にも、当日中にこなさなければいけないこと(主治医や患者さんとの電話面談や、紹介状の作成、情報提供書の解読)なども山積しており、僕の非力なCPUはフリーズ寸前でした。その中での、ファーストコール!生来健康な中年男性が旅行中に突然けいれんをおこしたとのこと。一旦、けいれんは収まったものの再び発現し、その時に舌を噛んだのか口から出血しているとの、狼狽した妻からのコールでした。けいれんは止まったものの、腰が痛いとの訴えあり、暴れまわっているといっていました。 痙攣重積状態、脳炎、髄膜炎、アルコール離脱、薬物、低血糖、高血糖、致死性不整脈...などなど怖い疾患が思い当ります。でも、一番気になったのは、「腰が痛い」というキーワード。これまで痙攣の既往がない人が痙攣をおこすというのは、何かしら重篤な理由が隠れているに決まっています。とっさに気になったのは、大動脈解離でした。解離が頸動脈に及べば脳虚血による痙攣は十分に考えられますし、さらに弓部から下行大動脈に及べば背部や腰の激痛が生じても不思議ではありません。 こういった緊急性を示唆するコールは「コード・ブルー」と呼ばれています。それまでの作業をすべて中断し、本症例に集中的に時間をかけます。妻からでは情報収集は不可能と思い、友人に電話を変えてもらった上で、落ち着いた声で話かけました。こういう時は、相手のペースにはまってしまうとパニックの悪循環に陥ってしまいます。 「落ち着いてください。大丈夫ですよ。電話でそばにいて、どうすればいいのか指導するので、落ち着いてください。大丈夫です。」 とりあえず救急車は向かってきているとのこと。来るまでの時間にできる範囲内で情報収集をします。少なくても意識に関しては、朦朧とはしているものの手足の麻痺はなさそう、呼吸についても早くない、全身蒼白にもなっていない、舌出血は出てはいるが大量には出ていなさそう、他のみえる外傷はなさそうだということはわかりました。循環と呼吸はひとまずは大丈夫そうです。体は少し熱いかもといっていましたが、窒息の可能性があるため、水を含めた口からの食べ物の摂取は控えるように指導しました。そして、再痙攣の可能性が高いので、できればソファーに座らせた上で、誰かがずっと付き添っているように指導しました。腰の痛みは相変わらずです。救急隊が着いたのが15分たった後でしょうか。倍以上に感じました。救命士に電話をかえるように伝え、大動脈解離の可能性を否定できない旨を説明し、心電図で致死性不整脈の否定と低血糖を否定した上で、血圧の左右差をはかってもらいました。結果、10mmHgほどですが、左右差はあります。血圧の変動をさせないようにお願いし、最寄りの緊急CTと緊急心臓手術に対応できる救命センターへの搬送選定をお願いしました。発症から約45分後、容態の大きな変化なく無事に救急医に引き継がれ、必要な治療と検査が急いで行われていることを確認し、やっと電話を置きました。ひとまず、第一段階はこれで終了。受話器を置いたのと同時に、全身脱力になりました。 その間にもコールはどんどん入ってきます。待たせている患者さん達に一人ずつ電話をかけなおし、遅れた分を取り戻そうと午後は奔走していました。今は患者さんを目の前にして診察をすることはありませんが、救急で培った経験が生かされていることは間違いないです。電話の声のトーンや症状から「緊急性の高さ」を判別するのはチャレンジングですが、やりがいを感じます。こういった時は、たとえ医学的情報は入ってこなかったとしても、常にオンラインにして様子を電話越しにモニターし続けることが、家族を落ち着かせ必要な行動を可及的速やかに指導できるのだと改めて思いました。さぁ、今夜は夜勤。更に対象範囲は広がり、香港とマカオも管轄に入ります。平和な夜であることを祈っています。※写真は本文とはあまり関係ないものもあります。悪しからず、ご了承ください。 […]

Worldwide Human Touch

2020-05-03T17:46:13+09:009月 21st, 2014|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

はいさい。フライトドクター ヨシバードです。久しぶりのゆっくりした週末を過ごしています。シンガポールに移住したら、これもあれもしようと計画していたのですが、実際住んでみると意外と行かないものですね。Night safariもUniversal Studioもまだまだ行けていません。この2か月で5回ほど医療搬送に携わらせてもらうことができましたが、いつも印象に残るのは、機内に案内したあとの患者さんの安堵した表情です。 文化も習慣も異なり頼れる人もいない外国で、病気になった時の絶望の気持ちは計り知れません。言葉が通じなければ、どういう診断が下されてどのように治療が行われているのか、はたまたいつになったら国に帰れるんだろうと心配の種はつきません。心身ともに疲弊しきっている中、医療通訳はじめ、主治医と密に連絡をとり、患者と家族や会社に現状を報告するのがメディカルアシスタント会社の役割です。時により専門家の見地から今後の治療方針を進言もします。それは、場合により医療先進国へのMedEvacも含まれます。 MedEvacで、搬送機が到着した時、疲労困憊した顔が安心した表情に変わった瞬間が忘れられません。言葉は通じるし、治療方針についても意見をすることができる、安心した医療設備のあるところで治療を受けられるなど、不安で蔽われた暗黒の先に、一筋の光を見出しているのかもしれません。 Repatriationでは、国に戻った時の安堵した表情が印象的でした。無事病気から回復した人にとっては、母国でリハビリをして次の一歩を踏み出すきっかけを作ることになります。例え終末期であったとしても、慣れ親しんだ国で、家族に囲まれて最後の時間を過ごすことをお手伝いできることはメディカルアシスタンスの意義の一つです。以前、病気のため離島に戻るのが難しい人のお手伝いをしましたが、機窓から生まれ育った島の影がみえた時の頬を伝った患者さんの熱い涙を忘れることはできません。 健康な人にとって世界は狭いでしょう。しかし、大病した瞬間、果てしなく広くなります。言葉や文化、国境の壁がとてつもなく高く感じるようになります。飛行機にも搭乗制限されるかもしれません。何千マイルも離れた母国が恋しくなり、どうしたら帰れるようになるのか途方にくれます。 Worldwide Human touch.これらのギャップを埋めるため、今日も精いっぱい様々な側面から、一人ひとりのニーズに合った医療アシスタンスを行っていきたいと考えています。 […]

一口に航空搬送といっても...

2020-05-03T17:46:48+09:009月 14th, 2014|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

はいさい。フライトドクター ヨシバードです。 今週はじめて、医療専用機による搬送を経験しました。患者搬送を、英語ではEvacuation, MedEvac, Repatriationと呼びます。この仕事に携わるまでは、同義語だと思っていましたが違う意味であることを知りました。まずは、Evacuation.これは事故現場から最寄りの医療施設に運ぶことを意味します。ドクターヘリの症例の大方はこの分類に入ります。これらは、分単位で動きますのでほとんどは現地の救急システムで完結し、我々が関知しないうちに終わっていることが多いです。敢えていえば、会社に入った電話でKey Word要請に繋がりそうな症例は、現地の救急システムを立ち上げ救急車や往診医を派遣することもあるますが、数はそう多くはありません。 次にMedEvac.これは一旦病院に収容され、一時的な診断や処置を受けたあとに、更なる高次医療機関へ搬送することを意味します。転院搬送ですね。医療後進国から医療先進国に搬送し、世界標準の治療を受けさせるというものです。日本では輸血、消毒器具、薬剤はじめ、当然のように安全なものが使われていますが、国によってはこういった安全基準がないところも多いです。医療関係者の教育や感染予防の徹底についても千差万別です。 病態が落ち着いていれば民間機で医療チームが付き添うことになりますが、状態が芳しくない場合がほとんどですので、医療専用機を使用することが多いです。チーム編成は、病状により一般医か、麻酔/救急/集中治療を背景にもつICUチームが選ばれることになります。新生児ではNICUのチームが選ばれます。搬送中のリスクを最低限にするため、搬送先は最寄りの先進国となります。東南アジアでは、シンガポール・バンコク・香港、東アジアでは台湾・ソウル・日本が高次治療の受け入れ国となります。 シンガポールは、周辺国(遠くはインド洋諸国からインドシナ半島まで)から実に多くのMedEvacを受け入れています。外国人の受け入れに対するハードルがほぼ皆無です。香港同様、英語圏であるのが最大の強みだと思いますが、シンガポールは多種多様の民族から混成されており、国民全体が外国人に対する特別意識が薄いこと実感します。患者がインド系だろうとマレー系であっても、それぞれの宗教や習慣にあわせた食事やナーシングケアがなされますし、医療スタッフは英語+各民族の言語を話せるので、言葉の問題は発生しません。そして、医師の多くは英国システムで専門研修を受けているので、欧米の文化に対する理解も深く、多くの外国人が自分の国以上のサービスを受けに訪星しているといっても過言ではありません。 最後にRepatriationですが、これは急性期が過ぎ落ち着いた患者、あるいは終末期患者における本国送還を意味します。「下り搬送」がわかりやすいでしょうか。治療は大方終了し残すはリハビリや定期受診が残るのみとなった患者さんを、住み慣れた国に帰すサービスです。これは先ほどのMedEvacと反対に、民間機での搬送が圧倒的に多いです。ただ、どのように民間機に乗せるのか、席の場所や車いすはどうするのか、医療エスコート編成や酸素など、経由便であればトランジット時間や空港設備がどうなのか、到着空港から先はどうするのか、受け入れ先選定...などなどAir Ambulance以上に考えなければいけないことが多く侮れないです。 実はもう一つ、遺体搬送もやっていますが、こちらは医療チームが携わらないので割愛します。 機内で多くの処置はできませんが、フライトチームのミッションは、最短の時間で患者状態を悪化させることなく次の医療施設に引き継ぐこと。それを指揮するcoordinating doctorはありとあらゆるリスクを想定して、万全の体制で搬送が行われるよう、各国のアシスタンスセンターと連携をとりながらプランを練っています。 […]

最適のタイミングに、適した場所で、適切な医療チームに引継ぐ難しさ

2020-05-26T14:45:58+09:009月 9th, 2014|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

はいさい!おひさしぶり!ヨシバードです。   しばらくブログ更新をサボっていました。日本は秋の訪れを実感している頃でしょうか?中秋の名月もこちらシンガポールでは全く季節感ががありませんので、昨日指摘されるまでわからなかったです。ただ中華文化圏ですので、しっかりと月餅は売っています 今日は、記事とあまり関係ありませんが、朝日に向かって撮った写真をシェアさせていただきます。太陽に出会うとエネルギーをもらえますね!  入社してから丸々二ヶ月が経ちました。シンガポールで六週間、東京で二週間の計8ヶ月の研修を終えました。この仕事は広い医学の知識を必要としますが、それだけでは成り立ちません。ロジの知識がいかに必要なのかを痛感しています。     日本にいると119番かければ、(例え外国人であっても)救急車(場合によりポンプ隊も)が数分後に駆けつけて、必要な評価をしたあとは病院連絡が自動的になされ、迅速に病院で治療を受けることができます。しかも、利用は無料です。離島であっても、ドクターヘリが必要であればシステムがactivateされますし、夜は自衛隊や海上保安庁が任務を兼務してくれます。   でも、外国では怪我・病気をした時は、救急車は有料ですし、どこの病院に運ばれるかによっても予後が変わるといっても過言ではないです。本当に主治医の診断を信頼できるのか...まず「疑う」ことから始めます。ホントに嫌な奴ですよね。   でも、こないだある「緊急手術が必要といわれた症例」で、与えられた情報を鵜呑みにしてはいけないことを学びました。主治医診断と症状が全然合わないなとおかしく思い、何回か患者と電話面談をした後、セカンドオピニオンを得るためにわざわざ日本に戻したのですが、最終診断は打撲と捻挫でした。もちろん手術はいりませんし、日本で「無罪放免」となり、僕も患者も胸を撫でおろしました。     でも、患者側からするとどこの国であろうとドクターはドクターです。医学部で学んで医師国家試験を通っているのですから、医師の意見を重くとる人がほとんどです(特に日本人は)。ましてや、CTやMRIなどの画像を目の前にしていない我らアシスタンスセンターの医師がどうアドバイスしても、「百聞は一見にしかず」ですので、主治医の意見が説得力あるに決まっています。       説得をするのは骨が折れましたが、結果的に不要な手術を回避できたことは素直に嬉しいです。それと同時に、やはり医療レベルが途上段階にある国では、自分で一旦情報を噛み砕いてから判断をする大切さを学びました。   [...]

8月 2014

朝のリレー

2020-05-03T17:46:28+09:008月 4th, 2014|Categories: その他のお知らせ|Tags: , |

はいさい。ヨシバードです。 大きな台風が次々と日本と襲っているようですが、皆さんいかがお過ごしですか?台風は赤道近くの太平洋上で生まれ北上するので、こちらシンガポールの暮らしは台風とは無縁です。地震もない安定した地質のようです。むしろ、あるのはヘイズという人為的な靄で、隣国インドネシアの焼畑農業や排気ガスなどの微粒子がモンスーンによって運ばれ、シンガポールを覆いつくします。4月から10月が特にひどくなるようです。 今日はマシな一日でした。週末明けの長い一日が終わりました。緊急ダイヤルをファーストコールと呼びますが、かなり緊張します。内心、日本人でありますように、いや最低限アメリカ人でありますようにと願い受話器を取りますが、なかなかそういうわけにはいきませんね;ここでの仕事は救急以外にも、広い知識を必要とします。その一つがこれまで縁が薄かった感染症学。日本でよく見られる肺炎・尿路感染といったものではなく、年齢層が圧倒的に若い人たち(働き盛りの人たちとその子供達、旅行を楽しめる元気があるご年配の方)が患者層になるので、起炎菌もかわってきますし、何より「旅行医学」や「熱帯医学」の知識が必要になってきます。マラリアやデング熱は日本ではほとんどみる機会がなかったですが、こちらでは鑑別診断の一つです。ワクチンについても、もう一度おさらいが必要です。そして、世界展開している顧客からは、リスクマネージメントの観点から「最近話題の感染症」についてのアドバイスと求められることもあります。まだ記憶に新しいものといえば、SARSやH1N1インフルエンザですね。そして、最近のトピックといえば、「エボラウィルス」が西アフリカを中心に流行していることをご存知でしょうか。アフリカには世界各国から資源開発、インフラ整備など多くの企業が進出しています。インフルエンザほどの感染力はありませんが、一旦感染すると致死率は9割と非常に怖いウィルスです。(映画「アウトブレイク」はこれがベースになっています)初期の症状も一般的な風邪に似てる上、対症療法しか治療法はなく、宿主も不明、ワクチンもありませんので、危険地域にいかないこと、患者に近づかないことという受動的なアドバイスしかできませんが、CDCやWHOなどの最新の知識は頭に入れておく必要があります。 英和辞書と同等に大事なのは、Google Earth。元々地理が大好きでしたが、この仕事では地理的感覚はMUSTです。患者がどの国のどの地域にいて、そこから最寄りの世界水準の医療を提供できる国の距離は、予後に直結します。それほど国間の医療格差は大きく、医療にロジスティックスを絡めた判断が求められます。今日は、Google先生に西アフリカの地理について教わりました。シンガポール、日本をはじめ、アジアではまだエボラ出血熱の確認はないようです。ご安心ください。そんなこんなで冷汗をかきながら、今日も一日無事終了しました。でも、地球上では常に誰かが事故に合い、疾病に倒れたりしています。アシスタンスセンター業務は、引き続き夜勤担当が東南アジア全域を統括しますが、これから起きてくるヨーロッパ、アメリカ大陸の同僚たちもこの命のバトンのリレーを引き継ぎます。今日は、大好きな詩で締めたいと思います。明日、ちゃんとまたバトンと受け取れるようにしっかりチャージします。おやすみなさーい! 「朝のリレー」 谷川俊太郎 カムチャッカの若者が きりんの夢を見ているとき メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている  ニューヨークの少女が ほほえみながら寝がえりをうつとき ローマの少年は 柱頭を染める朝陽にウインクする  この地球で いつもどこかで朝がはじまっている ぼくらは朝をリレーするのだ 経度から経度へと そうしていわば交換で地球を守る  眠る前のひととき耳をすますと どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる それはあなたの送った朝を 誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ「朝のリレー」 谷川俊太郎 動画 […]

あおぞらインターナショナルクリニックに電話を掛ける

    ホテル往診遠隔診療